orie2022年6月28日旅の子と彼岸花「もう、行ってしまうのですね」 彼岸花はそう静かに呟きました。 「うん、もう行かなくちゃ」 旅の子は丘の上から見える地平線をまっすぐと見つめました。 銀色の髪の毛がさらさらと風に遊ばれて靡いています。 彼岸花はその背中を眺めながら、なぜだか胸にもやがかかっていくようでした。...